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浦河歌舞伎を取材しました|静岡県の伝統歌舞伎

今回の撮影取材は静岡県浜松市天竜区佐久間町「浦川」の伝統、「浦川歌舞伎」に行ってきました。

旧浦川中学校体育館で行われる浦川歌舞伎

この浦川歌舞伎は江戸時代から伝えらており、ここ浦川の地で病死した江戸の歌舞伎役者「四代目尾上栄三郎(おのええいざぶろう)」を偲んで当時の歌舞伎を愛する人たちが初めた文化と伝えられています。

言い伝えでは1858年享年29歳で飯田での公演中に倒れ、現在の佐久間町浦川で死去されたとそうです。

伝えるのは地元の子供たち

江戸時代に歌舞伎が好きな地元の人々が集まり、この栄三郎の偲び行われた歌舞伎は地元の人々の手によって受け継がれていました。

夏休み最後の8月末から先生の指導を受ける子供達

今回取材に行ったのは令和元年8月28日、夏休みも終わるこの時期から今まで継続してきた毎年9月に行われる「定期公演」に向けて夜19時から演技指導を受ける子供達。

元々は男子のみで行われる歌舞伎だったが、現代では女性も積極的に参加。

迫力ある演技を先生方や大人から細かく指導を受けていました。

毎年演目が変わる浦川歌舞伎

浦川歌舞伎を伝える浜松市役所の内田さんによると、同じ演目はやらないのが浦川歌舞伎。

お客様からのリクエストやお客様を喜ばせるために、同じものをやらない伝統が今でも残っているとのこと。

その為、大人も子供たちも毎年苦労を重ね、見る人を飽きさせない努力をしているそうです。

昔から伝わる浮世絵を見せてくれる内田さん

箱から出してきたのは「浮世絵」江戸時代以降のものがたくさん保管されていて当時の地元の人の歌舞伎好きを彷彿とさせますね。と語ってくれる浦川歌舞伎事務局の内田さん。

何枚もの絵を見せてくれながら、当時の人たちが残した情熱を感じることが出来ました。

いくつもの歌舞伎の浮世絵が当時の情熱を伝える
説明を聞き浮世絵に見入る静岡キワニスクラブの

県外から呼ぶ先生方

今回の取材の中でも二人の先生方の動きには見惚れるものがありました。

踊りとセリフ指導、音響を担当しているのは二人の先生。

テープをその場で切ったり繋いだりそれこそ、歴史あるテープを操りながらセリフや動きの指導をするのは元劇団をされてきたお二人。

初めてやる子供達にも熱心に指導する先生
今でも貴重な機械で音を出されている使いこなす姿はさすが

現在苦労しながら存続している背景には先生方の存在もあるとのこと。

静岡県のお隣、愛知県まで迎えに行き夜19時からの演技指導に来て頂いている先生方もご高齢になられており驚くほど元気ではあるが、昨年までご自家用車で来られていたが今年からは地元の担当者が送り迎えをしている。

継続が困難な理由

この浦河歌舞伎が先日地元新聞に「幕」として紹介された。

実は、地元の人たちはその表現に疑問を持っていました。

毎年違う演目を行うこと

子供達の少子化

人口の減少と行った面などもあるが、多くの地元の方達がこれに関わり歴史を伝える努力をしていました。

そんな中問題となって来たのは

旧浦川中学校の耐震問題。

昭和に一度途絶えたものの毎年違った演目で歴史を繋いで来た

「浦川歌舞伎」だが、安全などの問題からこの体育館を使うことが出来なくなったとのこと。

これは、県外からのお客様も多くくる定期公演で万一の地震等があったら対応出来ないため来年以降の公演場所を検討しているそうで、山深いここではそれに対応する施設はかなり限られている状態で大きな課題となっている。

平成29年の公演の様子 客席は満席

古くなった体育館に舞台を設置し多くのお客様を受け入れなければならない状況で安全が確保できない理由などから来年度の定期公演を一時取りやめることとなったことが新聞で「幕」と表現されたが、地元の人たちはまだまだ継続していく誇りと力を語ってくれた。

過去の動画からも舞台の作り込みがわかる。

浦川歌舞伎を応援する静岡キワニスクラブ

今回の取材では、世界3大奉仕団体で知られる静岡キワニスクラブのメンバーの皆さんと同行させていただきました。

キワニスクラブは、ライオンズやローターリークラブと比較しても特に奉仕事業に特化したクラブで世界では1915年に設立され現在では約96ヶ国、約9,000のクラブ、約61万人が国際キワニスを構成しています。

その中でも静岡では今年、日本の全国大会が行われるとのこと。

素晴らしい会の皆さんとご一緒できたことはとても光栄でした。

静岡キワニスクラブはこちら

国際キワニスクラブ日本地区ホームページ

事務局の内田さん(右)キワにスクラブの皆さん(左3人)

撮影まとめ

今回の撮影取材の中では、地元の方達の情熱が伝わり子供たちの協力地元の方々の絆がとても伝わってくる取材でした。

その中で、まだまだ使える体育館も使えなくなり、先生方の高齢化や少子化、人口減、特に場所の問題などから定期公演を続けることが出来なくなった歯がゆさを感じました。

今月9月28日には本公演があるため私どもでも再度撮影予定。

是非時間を作って見に行ってもらえたらと思います。

その舞台は、地元の人たちが1から築き上げた努力が伝わると思います。

地元の方達の心意気は、静岡キワニスクラブのみなさんの応援する気持ちと繋がりとても素晴らしい取材をさせていただきました。

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